Scene 87
大人の女性たるもの、英語でもTPOはきちんとわきまえて話したいもの。気がついたら「上から目線」って思われていませんか?そうならないための言葉遣いのレッスンです。
繰り返し聴いて英語の自然なリズムを身につけましょう。
Sharon is at her friend Maria’s place. Maria has prepared lunch for her.
Sharon: Wow…everything looks so awfully good! I never knew you were such a good cook!
Maria: Stop chattering. It’s lunchtime.
Sharon: OK. Can I have this…um, what is it, anyway?
Maria: It’s ratatouille, my dear. A traditional French dish with lots of vegetables in it…
Sharon: Ratatouille? As in the animated film? Oh, it reminds me of rats, yuk…
Maria: Oh, come on, eat your vegetables, darling…vegetables will make you even more beautiful.
Sharon: Why are you being so condescending today? You sound exactly like my mom.
Maria: Because you’ve been acting exactly like a little kid, Sharon!
Sharon: No, I haven’t!
Maria: Don’t answer back! OK. Here goes my mom’s favorite line: Do you know how many children die of starvation every year? If you don’t want to eat your lunch, I could send it to those who would appreciate it. Giving up your meal once in a while wouldn’t do you any harm.
そのまま使える便利なフレーズを覚えましょう。
Stop chattering.
(おしゃべりはおやめなさい。)
chatterはchatと同じで「おしゃべりする」という意味。おしゃべりが過ぎる子どもに向かって大人がchatter, chatter…と言えば「おしゃべりばっかり…」と言っている感じになります。今回は、このセリフに始まり、マリアはほとんど母親のような口調でシャロンに話しています。この後出てくるmy dear, darlingといった愛称は、いずれも親が我が子に使うものです。あまりに保護者めいたことを言うのでシャロンはしまいには怒ってしまうのですが…後は続きをお読みください。
It's ratatouille, my dear. A traditional French dish with lots of vegetables in it…Ratatouille? As in the animated film? Oh, it reminds me of rats, yuk…
(ラタトゥイユですよ。フランスの伝統的な料理で、野菜がいっぱい入っている… ラタトゥイユ?アニメ映画のあのラタトゥイユ?やだ、ねずみのこと思い出しちゃったじゃない、オエ…)
ラタトゥイユとは、トマトやピーマン、ナスを煮込んだ、フランス・プロヴァンス地方の料理のことです。フランス風野菜のごった煮、という感じですね。「アニメ映画」と言っているのは、Ratatouille(邦題「レミーのおいしいレストラン」)のことを指しているのです。この映画はねずみが主人公なので、それでシャロンは「ねずみのこと…」と言っているのですね。私の印象では、日本人よりも西洋人の方がねずみアレルギーが強いように思います。
Why are you being so condescending today?
(なんで今日はそんなに上から目線なわけ?)
condescendingには「へりくだった」という意味もありますが、むしろ今回のように「偉そうな、人を見下した」という逆の意味で使うことの方が多いです。
Don't answer back!
(口答えしちゃいけません!)
これもお母さんの決まり文句のひとつです。talk backとも言います。
英文と比較して内容をしっかり確認しましょう。
シャロンは友人のマリアの家にいる。マリアはシャロンに昼食を作ってくれたのだ。
S: きゃあ…どれもこれもすばらしくおいしそう!マリアがこんなに料理上手だなんて知らなかったわ!
M: おしゃべりはおやめなさい。お昼の時間ですよ。
S: わかったわ。これ食べてもいい…これってそもそも、何?
M: ラタトゥイユですよ。フランスの伝統的な料理で、野菜がいっぱい入っている…
S: ラタトゥイユ?アニメ映画のあのラタトゥイユ?やだ、ねずみのこと思い出しちゃったじゃない、オエ…
M: ほらほら、お野菜は食べなさい…野菜を食べるともっと美人になりますよ。
S: なんで今日はそんなに上から目線なわけ?まるで私のママみたいな物言いだわよ。
M: なぜかというと、シャロンが子どもみたいにふるまっているからよ!
S: そんなことないわよ!
M: 口答えしちゃいけません!わかったわ。私のママのお気に入りのセリフを言いましょうか:毎年、ごはんが食べられなくて何人の子どもが死んでいると思う? 食べたくないのなら、ありがたく思ってくれる子どもたちにそのお昼ごはん、送っちゃうわよ。たまに食事を1回抜いたからってどうってことないわ。
英語では何と言うでしょう?
順調です。