Lesson 664
「ネコ」という動物を見たとたんにcatという英語が出てきますか?答えが「はい」の人にさらに質問です。知ってるはずの英語のイディオムや熟語がなかなか思い出せない…という経験、ありませんか?二度とそんな経験をしないですむ学習法、教えます。
繰り返し聴いて英語の自然なリズムを身につけましょう。
Claire is interviewing grammarian Dr. Sutherland for a magazine column. He has been explaining his learning method with an example of a Japanese student studying English.
Claire: Could you elaborate on what you’ve just told us…”grasp a phrase’s meaning not through its translation but as a kind of nonverbal experience”?
Sutherland: Sure. When you’re simply studying words, you can totally rely on their translations, in my case, Japanese. “Desk” is “tsukue”. That’s it. But when it comes to idioms…let me gat back to the example of “lend itself to”…ideally, the only stage I rely on my mother-tongue translation is when I look it up in a dictionary.
Claire: Yes.
Sutherland: Now, if you want to gain a really functional ability to use the phrase, you can’t always go back to its translation. Suppose I’m speaking with you, in English, and I want to say “lend itself to”, but it has slipped my memory. I panic, trying to remember the English version of “ni-tekishite-iru”, but if I have a habit of sticking to its Japanese translation, I keep on asking myself the same question “What’s ‘ni-tekishite-iru’ in English”, with no way out.
Claire: Why no way out?
Sutherland: Because, linguistically, “ni-tekishite-iru” has nothing to do with any of the words “lend”, “itself” and “to”. So what I suggest is, why don’t you try to grasp its meaning as a kind of picture, or a nonliteral situation…or memorize the phrase so well that you’ll never have to go back to its translation again.
Claire: It sounds like extremely hard work.
S: It sure is! Language is not something you can acquire overnight. It’s closely linked to our life, you see. That’s why it’s so wonderful and hard, just like life is!
そのまま使える便利なフレーズを覚えましょう。
Could you elaborate on what you've just told us?
(今お話しくださったことを詳しく説明していただけますか?)
elaborate onは「〜を詳しく説明する、述べる」という意味。
Ex) She elaborated on her comments.
(彼女は自分の発言について詳しく話した。)
It has slipped my memory.
(度忘れしてしまっている。)
slip one's memoryで「うっかり忘れる」。slip from one's memoryとなると「完璧に忘れてしまう」となります。
Ex) His name slipped from my memory.
(彼の名前をすっかり忘れてしまった。)
with no way out
(そうなったらにっちもさっちもいかない)
way outは「出口」のことですから、have no way outで「行き詰まった、にっちもさっちもいかない」となるのです。今回は、文の前半部分を受けて「そうなったら」にっちもさっちもいかない、という意味でwithを使っています。
Language is not something you can acquire overnight.
(語学と言うのは一朝一夕に習得できるものではありません。)
overnightは「一夜にして」。overnight success(一夜にして成功すること)というような使い方もあれば、an overnight trip(一泊旅行)といった文字通りの使い方もあります。
英文と比較して内容をしっかり確認しましょう。
クレアは雑誌のコラム用に文法学者のサザランド博士に話を聞いている。博士は、英語を勉強している日本人の学生、という例を用いて自身の学習方法を説明している。
C: 今お話しくださったこと…「フレーズの意味を訳を通してではなく、一種の非言語経験として把握する」という部分を詳しく説明していただけますか?
S: けっこうですよ。単に単語を学んでいる段階においては、訳に完全に頼りきってしまっていいんです、私の例(博士は、自分が「英語を勉強している日本人学生」という設定で話を進めている)で言いますと、日本語(の訳)ですね。”Desk”は「机」。それだけのことです。でも、イディオムとなると…”lend itself to”の例に立ち返りますと…理想的には、母国語の訳に頼るのは唯一、辞書を引くときだけなんですね。
C: はい。
S: しかし、”lend itself to”というフレーズについて本当の実践能力を身につけたいとなったら、その訳に立ち返ってばかりいるわけにはいきません。仮に、私があなたと英語で話をしているとしましょう、そこで私は “lend itself to”と言いたいのだけれど、度忘れしてしまっている。私はパニック状態に陥ります、「に適している」の英語版を思い出そうと必死なんです、でも、もしも私が常に日本語の訳にこだわって考える癖があるとしたら、私は「英語で『に適している』って何だったっけ?」という質問を繰り返し自問することになってしまいますよね、そうなったらにっちもさっちもいかない。
C: なぜにっちもさっちもいかないのですか?
S: なぜなら、言語的には、「に適している」は”lend”とも”itself”とも “to”とも何の関係もないからです。ですから私がおすすめしたいのは、フレーズの意味を一種の絵として、あるいは非言語的な状況として把握してはどうか、ということなんです…あるいは、その訳に二度と立ち返る必要がないくらいそのフレーズを徹底的に覚えてしまうか、ですね。
C: 非常にたいへんな作業のように思われますが。
S: その通り、たいへんですよ!語学と言うのは一朝一夕に習得できるものではありません。我々の生活に密につながっているものですからね。だから語学はすばらしく、またたいへんでもあるのです、人生がまさにそうであるようにね!
英語では何と言うでしょう?
ええ,そうですが…