Lesson 666
ネイティブの言ったこと、本当はわかってないのにわかったフリ。あなたも経験ありませんか?そういうクセを治したいと思ってる人、必読です!治す必要なんかありません、それを逆手にとってしまいましょう。
繰り返し聴いて英語の自然なリズムを身につけましょう。
Claire is interviewing psychologist Dr. Heineman for her magazine column. According to the academic, asking people the meaning of a word you don't know may not always be a good idea.
Claire: Dr. Heineman, thank you very much for taking time out of your schedule.
Heineman: Oh, I thank YOU for giving me such a wonderful occasion. And please call me Tom.
Claire: Um…may I start…um, Tom?
Heineman: Sure. I’m ready.
Claire: Let me start off with an example: I’m speaking with a good Japanese friend of mine in Japanese…the language I’ve been learning for ten years. Would you say it’s a good idea to ask her the meaning of every word I don’t get while we’re talking? In other words, would you think it wise to just smile and let the word pass as if I understand everything she says?
Heineman: An interesting question. I met so many people who…as you described…”sit and let the word pass” while speaking with others, even in their own language. A certain type of people do this because, mainly, they have a fear of embarrassing themselves by letting other people know they didn’t understand things they strongly believe they should have. These people say they want to overcome their fear of ignorance, but my idea is that you can make the best of this negative feeling.
Claire: But how?
Heineman: Suppose, while chatting with your friend, you didn’t understand the word “mankitsu-suru”. You don’t want your friend to think you’re ignorant. Then why don’t you go without asking, and try to memorize the word “mankitsu-suru” so hard that you won’t forget it until you get home and look it up in a dictionary in private? This way, you can have the word printed in your memory, and your desire to know its meaning would get intense. If you ask your friend the meaning on the spot, the word may slip out of your memory and evaporate a minute later. The harder you try to memorize and the stronger your desire to know becomes, the more likely the word and its meaning get ingrained.
そのまま使える便利なフレーズを覚えましょう。
Thank you very much for taking time out of your schedule.
(お時間を割いて下さってどうもありがとうございます。)
「時間を割いてくれてありがとう」という感謝の言葉は日本語ではよく耳にしますが、英語ではそれほどポピュラーではないようです。Thank you for coming.ぐらいの方がよく口にするかもしれませんね。でもあえて、日本人としてこういうお礼は言いたい!という方はこう言ってみてください。
I thank YOU for giving me such a wonderful occasion.
(私こそ、このようなすばらしい機会を与えていただいて感謝しています。)
いえいえ、こちらこそ…とこれも日本人が好きなやりとりのパターンですが、こういう場合には今回のようにyouを強調して発音するのが有効。単にthank YOUと言っても気持ちは十分に通じると思います。
I met so many people who…as you described…
(私は…クレアさんがおっしゃったように…他の人と話している最中に、それが母国語であっても「じっとすわって言葉を聞き流す」人に大勢会ってきました。)
sit / stand (there) and do nothing(ただじっとすわった / 立ったまま何もしない)という表現があります。非常に口語的な表現ですが、この場合、「すわって」いるかあるいは「立って」いるかということはさほど重要ではないんです。要するに「何もしない」「何もする気がない」ということを強調するためにsit / standと言っているという側面もあります(もちろん本当にすわって / 立っていなければこう言えないわけですが)。そこから派生した形が今回の表現です。let the word pass(言葉の意味を聞かずに受け流す)を強調するためにsit(すわったまま何もしない)という動詞を前に付け加えています。参考までに、以下のような表現もチェックしておきましょう。
Ex) Let's sit and talk.
(じっくりと話そう。)
Then why don't you go without asking, and try to memorize the word
(それなら、意味を聞くのはやめにして「満喫する」という単語を家に帰って一人で辞書を引く時まで忘れないよう、一生懸命覚えておこうとしてみたらどうでしょう?)
これは私が実際に実践したことです。根っからの見えっぱり、というのもありますが、こうやって意味を聞かずに、どんな意味だろう、意味を知るのが楽しみだ、それまで絶対に忘れるものか!と思ってやることでその未知の単語は記憶に深く刻み込まれ、思い入れも深くなるので覚えやすくなるのです。会話中に例えば20語わからない表現が出てきたとして、それを全部その場で意味を聞いてしまうとほとんど記憶に残りません。逆に、20語すべて「お持ち帰り」もできないので、その中で「これとこれとこれだけは絶対にマスターしよう」という取捨選択を会話中にするのです…そんなことをしていると会話を100%楽しめないですけどね。
in privateは「一人で、誰にも邪魔されずに」という意味です。in privacyと言っても同じです。
This way, you can have the word printed in your memory, and your desire to know its meaning would get intense.
(こうすることで、その単語を記憶に焼きつけることができるし、その意味を知りたいという願望も強くなります。)
この場合のthis wayはin this wayと言い換えてもいいです。以下の二つを比較してみて下さい。
Ex) This way, please.
(こちらへどうぞ。)
This way, you can save a lot of money.
(こうすることで、たくさんのお金を節約できます。)
The harder you try to memorize and the stronger your desire to know becomes, the more likely the word and its meaning get ingrained.
(一生懸命覚えようとすればするほど、知りたいという欲が強くなればなるほど、その言葉と意味とが身体にしみつきやすくなるのです。)
ingrainは「根付かせる、しみこませる」。ingrained habitと言えば
「しみついてしまった習慣」ということです。
英文と比較して内容をしっかり確認しましょう。
クレアは雑誌のコラム用に、心理学者のハイネマン博士をインタビューしている。彼によれば、自分が知らない単語の意味を人に聞くのは必ずしも得策ではないようだ。
C: ドクター・ハイネマン、お時間を割いて下さってどうもありがとうございます。
H: いえいえ、私こそ、このようなすばらしい機会を与えていただいて感謝しています。どうかトムと呼んで下さい。
C: ええっと…始めてもいいでしょうか…その…トム?
H: もちろん。準備OKです。
C: まずひとつの例から始めさせて下さい:私は日本人の仲のいい友だちと日本語で話しているとします…私は日本語を10年勉強しているという設定です。その友だちと話をしている間にわからなかった単語の意味をいちいち彼女に尋ねた方がいいとお考えですか?つまり、 あたかも彼女の言っていることはすべてわかっているわよ、という風に笑ってそのわからない単語を聞き流してしまうのは賢いやりかたでしょうか?
H: 興味深い質問ですね。私は…クレアさんがおっしゃったように…他の人と話している最中に、それが母国語であっても「じっとすわって言葉を聞き流す」人に大勢会ってきました。ある特定のタイプの人間はこういうことをするんです、なぜかというとたいていの場合、こういう人たちは、自分が知っていて当然だと固く信じている物事を理解できなかった、ということが他人にばれてはずかしい思いをしたくない、という恐怖心を持っているからなんです。このての人たちは無知に対する恐怖心を克服したいと言いますが、私に言わせれば、このネガティブな感情を最大限に生かすことができるのです。
C: でもどうやって?
H: 例えば、あなたが先ほどの友だちと話している間に「満喫する」という言葉がわからなかったとしましょう。でもあなたは友だちに自分がその言葉を知らないとは思われたくない。それなら、意味を聞くのはやめにして「満喫する」という単語を家に帰って一人で辞書を引く時まで忘れないよう、一生懸命覚えておこうとしてみたらどうでしょう?こうすることで、その単語を記憶に焼きつけることができるし、その意味を知りたいという願望も強くなります。その場で友だちに意味を聞いてしまうと、その語は記憶から抜け落ちてしまって一分後には消えてなくなってしまうかもしれない。一生懸命覚えようとすればするほど、知りたいという欲が強くなればなるほど、その言葉と意味とが身体にしみつきやすくなるのです。
英語では何と言うでしょう?
まあまあです。