つかえる英会話Daily / Travel

Lesson 667 上級

英語を話す時の自分ってアグレッシブ…これっていいの?

日本語を話す時と英語を話す時とでは人格ががらっと変わってしまう人っていますよね。でもこれ、実は当然のことなんです。英語と日本語とではロジックが違うのだからあたり前!でもそれってどういうコト?

Dialog

繰り返し聴いて英語の自然なリズムを身につけましょう。

Claire is speaking with psychologist Dr. Heineman for a magazine column. They're talking about people who feel as if their personalities change when speaking in a foreign language.

Claire: I’ve met people who say they feel like different people when speaking in a foreign language.

Heineman: Oh, you’re talking about “frame-shifting”.

Claire: Sorry?

Heineman: Frame-shifting. It’s a phenomenon in which people can switch between different ways of interpreting events and feelings. A recent study has found out that bicultural/bilingual people switch frames more quickly than people who are living in one culture. Native English speakers, for example, find themselves more assertive when speaking in Spanish. My student conducted a research on how native Japanese speakers feel about a novel’s protagonist when reading the same novel in Japanese and in English. The result was that respondents found her an independent woman when reading in English, but a confused being in the Japanese version.

Claire: That’s very interesting. In other words, language activates different frames…am I right?

Heineman: Absolutely. I’ve seen Japanese people who find themselves more assertive and extroverted when speaking in English, and are “ashamed” of it. But there’s no need to feel that way, because in part, different rules of logic that exist in different languages prompt the change.

Claire: I’m not bilingual, but living more than two personalities sounds like fun!

Heineman: Yes, in this kind of case, it could be very much so.

Explanations

そのまま使える便利なフレーズを覚えましょう。

Oh, you're talking about

(ああ、おっしゃっているのは「フレーム・シフティング」のことですね。)
frame-shiftingとは、後に会話にもありますが「何か物事を解釈する際に様々な考え方に思考を転換していくこと」、すなわち、場合によって考え方や感じ方が変わること、を言います。この場合のframeとは「気分」のこと。frame of mind(気持ち、心の持ちよう)などで使われるframeと同じ意味ですね。

The result was that respondents found her an independent woman when reading in English, but a confused being in the Japanese version.

(結果は、英語で読むと主人公が独立した女性に感じ、日本語で読むと混乱している人のように感じた、ということでした。)
respondentとは「回答者、応答者」のことで、世論調査や今回のようなリサーチに回答してくれた人のことを指します。

Language activates different frames.

(言語が違った考え方を稼働させると。)
activate(作動させる、稼働させる、活性化する)は、以下の例のように機械について使われることが多いのですが、今回のような使い方もできるのです。
Ex) A fire alarm was activated.
 (火災報知器が作動した。)

In part, different rules of logic that exist in different languages prompt the change.

(ひとつには、違う言語には違う論理の法則が存在するわけで、それが変化をうながすのですから。)
in partは「部分的には、ひとつには」という意味。partlyと同じ意味です。in good partと言えば「大部分において」。
Ex) That was in good part my fault.
 (それはほとんど私のせいなのです。)

Translation

英文と比較して内容をしっかり確認しましょう。

クレアは雑誌のコラム用に心理学者のハイネマン博士に話を聞いている。二人は、外国語を話すと性格が変わったように感じるという人の話をしている。

C: 外国語を話していると自分が他の人になったような気がする、という人に会ったことがあるんですが。

H: ああ、おっしゃっているのは「フレーム・シフティング」のことですね。

C: なんておっしゃいました?

H: フレーム・シフティングです。出来事や感情に対して、様々な考え方を場合場合によって持ち得る、という現象のことをさします。最近の研究では、二文化生きる人、それからバイリンガルの人はひとつの文化に生きている人よりもより早く考え方をスイッチすることがわかっています。英語を母語とする人は、例えば、スペイン語を話す時の自分の方が主張が強いと感じるそうです。私の学生が、日本語を母語とする人たちに同じ小説を日本語版と英語版で読ませて主人公についてどう思うか、というリサーチをしました。結果は、英語で読むと主人公が独立した女性に感じ、日本語で読むと混乱している人のように感じた、ということでした。

C: それは非常におもしろいですね。要するに、言語が違った考え方を稼働させると…それでよろしいのでしょうか?

H: その通りです。私は、英語で話すと主張が強くて外向的になると感じている日本人の方たちに会ったことがありますが、彼らはそれを「恥じて」いるのです。でも、そのように感じる必要はないのです、なぜなら、ひとつには、違う言語には違う論理の法則が存在するわけで、それが変化をうながすのですから。

C: 私はバイリンガルではありませんが、二つ以上の性格を生きるって楽しそうですね!

H: そうですね、このような場合においては、かなり楽しいかもしれませんね。