Scene 77
Maria and her friend Sharon are talking on the phone.
繰り返し聴いて英語の自然なリズムを身につけましょう。
Maria: Sharon, you’ll never believe what I saw at the office yesterday…this new guy, I think he’s still in his early 20s, came to the office for the first time, accompanied by his mom!
Sharon: What? He was sick so his mommy had to take care of him, or what?
Maria: No…I don’t know whose idea it originally was, but it looks like she escorts him everywhere he goes. And he doesn’t seem abashed at his mommy being always with him…
Sharon: Is he still being breastfed? Oh no…but Maria, do you remember when you deparented?
Maria: No…as far as I remember, I was already a difficult kid when I was a tween. What about you?
Sharon: I remember the day my mom came with me when I was getting ready to start college. Well, we were at a bank, and I was about to withdraw some money at an ATM. And there she was, standing right behind me, and every time the machine asked me to press a button, she kept on whispering to me, “There, honey, the button at the top”, “Now you press the amount of money you need…” until she got on my nerves and I broke out, “Mom! I can do this myself, so will you just be quiet?”
Maria: Ha ha…didn’t she look sad when you said that?
Sharon: Yeah, she did, but that’s the phase every mother has to go through.
そのまま使える便利なフレーズを覚えましょう。
I don't know whose idea it originally was.
(誰がそもそもそういう風にしようって言い出したのか知らないけど。)
ideaは「考え」ということですが、今回の訳でおわかりのように「誰がそうしようと言ったのか、言い出しっぺ」というような意味合いで使うことも少なくありません。
And he doesn't seem abashed at his mommy being always with him…
(彼も、ママがいつもそばにいることを恥ずかしがってる風情はないのよね…)
abashedは「ばつが悪い」という意味。embarrassed(恥ずかしい)よりも重たい響きがします。
Is he still being breastfed?
(まだママのおっぱい飲んでるのかしらね?)
breastfedはbreastfeed(授乳する)の過去分詞です。ここで問題なのは、英単語や表現ではなく、日本語と英語の「切り返し」の感覚の違いです。日本語であれば、たとえば「もういいかげんに子どもじゃないんだし」(英訳するのであればHe's not a baby anymore.)と直接的に言うことが多いと思いますが、英語の場合は今回のようにそれをもう少し皮肉っぽく、「おっぱい飲んでるぐらいお子ちゃまなのかしらね」という切り返しになります。よく、アメリカの映画などを見ていて、ああいう風にうまい切り返しができたらいいなぁ、と思うことがありますが、これは日本語と英語の感覚がそもそも違うところに起因するようです。
Do you remember when you deparented?
(あなたは自分が親離れした時のこと覚えてる?)
deparentは「親離れする」。あまりよく使う言葉ではありませんが、de-+動詞、で
「…でなくなる」という意味の色々言葉を作ることができる、ということを覚えておいて下さい。de-stress(ストレス解消する)、de-humanize(非人間化する)など。
I was already a difficult kid when I was a tween.
(私は10代にさしかかる頃にはもう難しい子どもだったからね。)
tweenとは7歳から12歳ぐらいまでの年齢層の子どものこと。いわゆるchildとteenagerの間、ということで(be)tweenと呼ぶのです。
She got on my nerves and I broke out, "Mom! I can do this myself, so will you just be quiet?"
(私がイライラして「ママ!私、自分でできるから、黙ってくれない?」って叫んじゃった。)
get on someone's nerves「(誰かの)神経を逆なでする」という意味。break outは「(戦争などが)勃発する」という意味が有名ですが「急に怒り出す」という意味もあります。
英文と比較して内容をしっかり確認しましょう。
マリアと友人のシャロンが電話で話をしている。
M: シャロン、昨日私がオフィスで見たことを話したら絶対驚くわよ…新人くんがやってきてね、多分20代前半だと思うんだけど、出社初日だったのよ、そしたら母親に付き添われて来たのよ!
S: 何それ?病気だったからママが付き添わなくちゃいけなかったとか?
M: 違うのよ…誰がそもそもそういう風にしようって言い出したのか知らないけど、彼の母親は息子がいくところどこでも付き添っちゃうみたいなのよ。彼も、ママがいつもそばにいることを恥ずかしがってる風情はないのよね…
S: まだママのおっぱい飲んでるのかしらね?やあね…でもマリア、あなたは自分が親離れした時のこと覚えてる?
M: ううん…覚えてる限り、私は10代にさしかかる頃にはもう難しい子どもだったからね。シャロンは?
S: 私がこれから大学に通い始めるって時、母が付き添ってくれた日のことは覚えてるわ。銀行に行って、ATMでお金をおろすところだったのね。そうしたら、母ったら私の後ろにべったりくっついて、機械が何かボタンを押せって言ってくるたびに私に耳元で「ほら、そのいちばん上のボタンを押して」「とか「必要な金額を押すのよ」…とかささやくのよ、それでしまいには私がイライラして「ママ!私、自分でできるから、黙ってくれない?」って叫んじゃった。
M: アハハ…お母さん、そう言われたとき寂しそうじゃなかった?
S: 寂しそうだったけど、でも母親は皆そういう段階を経験して行くものでしょう。
英語では何と言うでしょう?
ええ,そうですが…