Lesson 672
アメリカ英語は字幕なしでもなんとなくわかるけど、イギリス英語は難しくて…という人はけっこういるみたいです。TOEICにもイギリス英語は出てくるので、好き嫌いはさておき押さえておかなくちゃいけないですよね。というわけで、イギリス英語即席攻略法です。
繰り返し聴いて英語の自然なリズムを身につけましょう。
Claire is interviewing Professor Dobinson for her magazine column. The professor specializes in linguistics.
Claire: Students who have mainly studied American English find British English difficult to understand. How can they overcome this situation?
Dobinson: Well, my answer is nothing special, I’m afraid: grasp the characteristics of British English, and then listen as much as you can—constantly asking yourself what the word’s pronunciation would be in American English.
Claire: Could you list up the characteristics of British English?
Dobinson: Certainly. First of all, British English is what we call non-rhotic, which means speakers don’t pronounce “r” unless it’s followed by a vowel. For instance, you say “short” (pronouncing r) in American English, whereas you say “short” (not pronouncing r) in British English, as if an “r” doesn’t exist in the word. So “more” (pronouncing r) is “more” (sounding more like mo-o), and “door” (pronouncing r) is “door” (do-o) in the UK.
Claire: Yes.
Dobinson: Another point you have to pay attention to is that British people pronounce “a” longer: thus “ask” (with long “a”) and after (with long “a” and without pronouncing the final r). And also, you have to be careful about the combination of such letters as t and d on one hand, and long “u” on the other. “Tuna” (sounding more like too-na) becomes “tuna” (more like tyu-na), and “during”, during (ju-ring).
Claire: Yes. British people love “tuna” (tyu-na) sandwich, don’t they?
Dobinson: Precisely so. And in British English, “o” is pronounced as a very short sound compared to American English, which pronounces “o” like somewhere between “a” and “o”. So “hot dog” (hat-dag) becomes “hot dog” (hot-dog). And “o” is sometimes pronounced like “ou”: as in “so” (sou) and “don’t” (dount). Once you know these basics, it’s pretty simple. I advise students to listen to BBC and get used to their pronunciation. They might not understand a word at the beginning, but there’s no need to worry. If they have a substantial vocabulary, they will, one day, begin to figure out what British people are saying. They need patience: lots of, lots of patience.
そのまま使える便利なフレーズを覚えましょう。
My answer is nothing special.
(私の答えはありきたりでして。)
nothing special(これといって特別なことではない、たいしたものではない)は会話でとても重宝します。以下の例を参考にして下さい。
Ex) What have you been doing today? --- Nothing special.
(今日は何をしていたんだい?---たいしたことはしてないわ。)
I've brought you a gift, nothing special.
(プレゼントを持ってきたんだ、たいしたものじゃないけど。)
Precisely so.
(その通り。)
このセリフは、小説「シャーロック・ホームズ」のシリーズで主人公のホームズがよく口にするセリフです。今の英語で言えばExactly.とかAbsolutely.などに置き換えられますね(もちろん、今こう言っても古くさい感じはしないのですが)。今回はイギリス英語の話をしているのでドビンソン教授はあえてこのイギリスらしい表現を使ったのです。ちなみに、私が知る限り、イギリス人は本当にツナサンドが好きです…
If they have a substantial vocabulary, they will, one day, begin to figure out what British people are saying.
(かなりの語彙があれば、いつか、イギリス人がなんと言っているかわかってくるようになります。)
substantialは「十分な、大量の」という意味。
英文と比較して内容をしっかり確認しましょう。
クレアは雑誌のコラム用にドビンソン教授をインタビューしている。教授の専門は言語学だ。
C: 主にアメリカ英語を勉強した学生はイギリス英語が難しいと言います。この状況はどのように克服できるのでしょうか?
D: そうですね、残念ながら私の答えはありきたりでして。イギリス英語の特徴を把握し、その上でなるべくたくさんイギリス英語を聞くこと…その際に、この発音はアメリカ英語ならどう発音されるかを常に自問すること、です。
C: イギリス英語の特徴を教えていただけますか?
D: いいですよ。まず、イギリス英語というのはいわゆる非r発音でして、つまり、rの後に母音が続かない限りrは発音しないんです。例えばアメリカ英語ではrの音をさせてshortと発音しますが、イギリス英語では、あたかもrが存在しないかのように「ショート」と発音します。ですからmoreは「モー」となり、 doorはイギリスでは「ドー(ァ)」となります。
C:はい。
D: 注意を要する点としては他にも、イギリス人はaを長めに発音します。ですからaskは「アースク」となり、afterは「アーフタ」(最後のrは発音しない)になるわけです。さらに、tやdと、長音のuの組み合わせも要注意です。 Tunaは「チューナ」となり、duringは「ジューリング」となります。
C: はい。イギリス人はチューナ・サンドイッチが好きですよね?
D: その通り。そしてイギリス英語はアメリカ英語に比べるとoをとても短く発音します、アメリカ英語ではoはaとoの中間のような音になりますからね。ですから「ハーット・ダーッグ」 hot dogは「ホット・ドッグ」となります。それから、oはouみたいな音になることもあります。「ソウ」(so)や「ドーウント」(don’t)などがそうです。こういった基礎をわかってしまえば、けっこう簡単なんですよ。学生の皆さんにはBBCを聞いてその発音に慣れることをおすすめします。最初は一語もわからないかもしれませんが、心配する必要はありません。かなりの語彙があれば、いつか、イギリス人がなんと言っているかわかってくるようになります。忍耐が必要ですよ。たくさんの、たくさんの忍耐力が必要です。
英語では何と言うでしょう?
順調です。