Lesson 692
かつて日本人は「どうぞ」代わりにpleaseを連発すると批判されることが多かったのですが、時と場合さえ間違わなければpleaseは単独で「どうぞ」という意味で使えるんです。その「時と場合」とはいったい?
繰り返し聴いて英語の自然なリズムを身につけましょう。
Claire is on her own at a coffee shop, drinking coffee, when a man approaches her. The coffee shop is fairly crowded.
Man: Excuse me, is anyone sitting here?
Claire: No. It’s all yours. Please. (Claire notices the man is with a little girl.) Oh, I’ll be going in a minute anyway.
Man: No, please! We didn’t mean to rush you!
Claire: No, no…I have to go. If I stay here another minute, my boss will be furious!
Man: (Laughs, and Claire stands up to leave.) That’s very kind of you. Thank you.
Claire: Please…don’t mention it…(to the girl) hello, cutie…(to the man again) how old is she? Oh, wait, let me make a guess…3, am I right?
Man: You’re right! She turned 3 only last week.
Claire: I only know this because my niece is the same age. Oh, she’s such a beautiful little thing!
そのまま使える便利なフレーズを覚えましょう。
Excuse me, is anyone sitting here?
(すみません、誰かこちらにすわってますか?)
喫茶店などで席が空いているかどうか聞きたい時のいちばんポピュラーな表現です。日本人同士だとこう話しかけてもそれだけで終わってしまうことが多いかもしれませんが、外国人はよくこの状態から会話に発展させたりもします。海外旅行先のカフェなどでも試してみて下さい。
No. It's all yours. Please.
(いえ、お使い下さい。どうぞ。)
Is anyone sitting here?に対する答えとしては答えがYesなら理由を説明してSorry (yesと言うとちょっとぶっきらぼうな感じがします), my friend will be joining me in a minute.(もう少しで友人が戻ってくるんです)などと言い、Noであれば、今回の例が典型的な受け答えとなります。このPleaseがなぜ「どうぞ(お使い下さい)」となるかというと、Is anyone sitting here?という質問は言外にIf no one is sitting, can I have it?(誰もすわっていないのならこのイスを使ってもいいですか?)というメッセージを伝えているわけで、そう言われた人は、その言外の意味をもとに応答するのが当然、とされているからです。このように文脈から相手が何をしたいか/しようとしているか、が明らかな場合にPleaseが日本語同様、単独で「どうぞ」という意味として使えるのです。
No, please!
(そんな、やめてください!)
このpleaseは前回のものとは性質がちょっと違います。「席を立たないで下さい」ということが文脈からわかるからpleaseを単独で使える、という意味では前回のものと共通点はありますが、今回(そしてあとに登場するクレアのPleaseも)「嘆願」のpleaseです。
We didn't mean to rush you!
(せき立てるつもりではなかったんですから! )
今回の会話のような流れで相手が席を立ってくれそうになった時はこう言ってみて下さい。実は、今回の会話は実際に私が某チェーンコーヒー店で経験した会話がもとになっています。
How old is she?
(いくつですか?)
一緒にいる子どもが実の子どもであるという保証はどこにもないので、Is it your daughter?とかHow old is your daughter?などという質問は避けた方がベターです。
She's such a beautiful little thing!
(なんてかわいらしい女の子でしょう!)
カジュアルな場では人(特に子どもや女性)をさしてthingと言えます。愛情やいらだちをこめて、今回のように形容詞と一緒に用いることが多いです。
Ex) She's the cutest thing I've ever met!
(今まで会った中でいちばんかわいい子だ!)
Oh, she's a stupid thing!
(まったく彼女は馬鹿なヤツだ!)
英文と比較して内容をしっかり確認しましょう。
クレアが一人でコーヒーショップでコーヒーを飲んでいると、男性が近づいてくる。コーヒーショップはかなり混雑している。
M: すみません、誰かこちらにすわってますか?
C: いえ、お使い下さい。どうぞ。(クレアは男性が小さな女の子と一緒であることに気づく。)あ、私もうすぐ行きますから。
M: そんな、やめてください!せき立てるつもりではなかったんですから!
C: いえいえ、行かなくちゃいけないんです。あと1分でもここにいたら、上司が激怒しますから!
M: (笑う、そしてクレアは席を立つ)ご親切にありがとうございます。
C: どうか…そんな風におっしゃらないでください…(女の子にむかって)こんにちは、かわいこちゃん…(また男性に向かって)いくつですか?あ、待って下さいね、あてさせて…三つ、でしょう?
M: その通りです!先週3歳になったばかりなんです。
C: 姪が同じ年なのでわかるんですよ。なんてかわいらしい女の子でしょう!
英語では何と言うでしょう?
いいお天気ですね。