Lesson 658
2カ国語を話せる人は「バイリンガル」。では「3カ国語を話せる人」は?「4カ国語」はどうでしょう?知ってるとちょっと自慢できます。
繰り返し聴いて英語の自然なリズムを身につけましょう。
Claire is talking with his boss, Richard, about a new column they are planning to start in their magazine. She has just entered his room.
Richard: Do have a seat, Claire.
Claire: Thank you…so how can I help you, Richard?
Richard: You know the new column we’ve been working on…the one featuring language pros…basically, it’s going to be interviews. And I would like you to be the interviewer.
Claire: Um…Richard…I think you’ve picked the wrong person, I’m afraid.
Richard: Have I?
Claire: You see, I have no head for languages. I’ve tackled many languages…French, Latin, Chinese…but it never amounted to anything because I always gave up before getting halfway through the textbooks.
Richard: That’s why I’ve chosen you. We need an interviewer who can see things from our readers’ perspective. Many of our readers say they want to improve their language skills, but they just can’t…for various reasons. And they don’t want to read stories written by trilingual beings like myself.
Claire: I see…well, if you insist.
そのまま使える便利なフレーズを覚えましょう。
Do have a seat.
(どうぞすわって。)
このDoはhaveを強調しているので、訳としては「どうぞすわって」となります。ではPlease have a seatと何が違うのか。Pleaseを使った方がよりていねいになり、目上の人などに言うのに適しています。一方Do使った言い回しは今回のように、部下など目下の人間に特別何かを促したいとき(今回の場合は「席に着く」ということ)に使われます。
How can I help you, Richard?
(ご用件は何でしょうか、リチャード?)
Can I help you?でも訳は「ご用件は何ですか?」となりますが、これにHowをつけるとニュアンスが若干変わってきます。Can I…の方は、相手が自分にしてほしいことがあるかどうかわからないから「何かお手伝いできることはありますか」という意味で聞いています。それに対し、How can I…の方は、相手が助けてほしいことはわかっているけれど、何をどう(how)したらわからないので質問している、という具合になります。
I think you've picked the wrong person, I'm afraid.
(申し訳ありませんが、私は不適任ではないかと。)
pick the wrong personで「間違った人選をする」、I'm afraidは「申し訳ないけれど」。I thinkは、自分の主張を断定的に響かせないためにも使われます。実はついこの間こんなことがありました。公園に連れて行った娘が「のどかわいたぁ」と言ったので辺りを見回していたら、娘の発言をそばで聞いていたイギリス人男性が「そこに水があると思います」と教えてくれました。見ると彼のすぐ横に水飲み場が…彼はその公園によく来るようで、公園のことは熟知していた様子。ですから、本来の日本語ならば「(たしか)そこに水飲み場がありますよ」となるのですが、この男性はおそらく英語で考えていたことを日本語に翻訳したのですね。(I think there's a water fountain over there.)I thinkとつけるのは断定語調を避け、やわらかい響きにするためです。日本語を話す外国人に学ぶところは多いです。
I have no head for languages.
(私は語学はダメなんです。)
have no head for…は「…に弱い、不得意である」。
I never amounted to anything.
(どれもモノにならなかったんです。)
amount toは「モノになる」。他にも「合計…になる」「結局…ということになる」という意味があります。
Ex) Don't waste your money on small things like that. Little things add up…it would amount to a huge sum.
(そんな小さなものにお金を無駄遣いしちゃダメだ。チリも積もれば山となるよ…結局はけっこうな額になるんだ。)
trilingual beings
(3カ国語をしゃべれる人間)
bilingual(2カ国語を話せる人)はなじみが深いですが、3カ国語以上はあまり耳慣れないのでは。trilingual(3カ国語を話せる人)quadrilingual(4カ国語を話せる人)となります。5カ国語以上になれば、例えばShe can speak five languages.(彼女は5カ国語を話せるんだ。)とするのが普通です。
If you insist.
(そこまでおっしゃるのなら。)
If you insistあるいはIf you say soは、相手が言ってきたことを不承不承受け入れる時に使います。
英文と比較して内容をしっかり確認しましょう。
クレアは上司リチャードと雑誌に新しく連載するコラムについて話している。クレアは彼の部屋に入ったところだ。
R: どうぞすわって、クレア。
C: ありがとうございます…それで、ご用件は何でしょうか、リチャード?
R: 準備中の新しいコラムについてだけどね…語学のプロの人たちをとりあげる、例のやつだ…基本的にはインタビューを載せていくつもりなんだ。そこで、君にインタビュワーをつとめてもらいたいんだが。
C: あの…リチャード…申し訳ありませんが、私は不適任ではないかと。
R: 不適任かな?
C: ええ、私は語学はダメなんです。いろんな言語に挑戦してみたんですけど…フランス語も、ラテン語も中国語もやってみました…でもどれもモノにならなかったんです、テキストの半分に行く前に必ず音を上げてしまうものですから。
R: だからこそ君を選んだんじゃないか。読者の目線で物を見られるインタビュワーが必要なんだ。語学のスキルは磨きたいけれど、様々な理由でそれができない…という読者が多いからね。だから僕みたいに3カ国語をしゃべれる人間の書いた原稿なんか読みたくないんだよ。
C: そうですか…まあ、そこまでおっしゃるのなら。
英語では何と言うでしょう?
まあまあです。