Lesson 659
ズバリ、英語を上達させたいのならボキャブラリーを増やすこと。でも、どうしてボキャブラリーなんでしょうか。サザランド先生がお答えします。
繰り返し聴いて英語の自然なリズムを身につけましょう。
Claire is interviewing grammarian Dr. Sutherland, for a magazine column.
Claire: Dr. Sutherland, what do you think is the most essential part of language learning?
Sutherland: I’d say vocabulary building…of course, a good grasp of the language’s grammar is a staple. Many people come to me, saying they want to improve their listening skills, reading skills or writing skills, but you can’t improve any of these by simply going over listening or reading materials.
Claire: But you need to read, listen and write considerably before you reach a certain level, don’t you?
Sutherland: Yes, you’re right. But what I’m trying to say is this: If you want to understand better, you need to enrich your vocabulary. Suppose you’re speaking with a French person, and your French is pretty good. But suddenly, you hear a certain sound you can’t make heads or tails of. You can’t even figure out if it’s a single word or a group of some words…or if it’s an idiom, or some technical term. You’re at a loss.
Claire: Yes.
Sutherland: This kind of uncomfortable situation occurs because the French person’s speech includes some words you don’t know. Unfortunately, we can’t figure out foreign words’ meanings unless you’re familiar with them. When you hear some new word or technical term in your own language, you can guess its meaning, or you can just let it pass by saying, “Oh, I don’t need to know it”. Because you’re confident with your language. So what I suggest people do is to learn as many words as possible so chances that you experience the uncomfortable situation will become smaller.
Claire: In other words, we ought to create a situation where we can be confident with the language—as we are with our own.
Sutherland: Exactly! Now, I’d like to tell you how you can enlarge your vocabulary.
そのまま使える便利なフレーズを覚えましょう。
A good grasp of the language's grammar is a staple.
(その言語の文法をちゃんと理解していることが必須ですが。)
stapleとは「主食」、すなわち「必要不可欠なもの」のこと。graspは「把握、理解」。
If you want to understand better, you need to enrich your vocabulary.
(もっと理解したいのなら、語彙を豊かにしなければだめだ。)
「語彙を増やす」にあたる英語は色々あります。Enrich/enlarge/increase/expand/develop/build (up)/improve one's vocabulary.ニュアンスの違いこそありますが、どれもコンテクストに左右されずに簡単に使えるものばかりです。
You hear a certain sound you can't make heads or tails of.
(まるで理解できない音を耳にするんです。)
make head or tail ofとは「何がなんだかさっぱりわからない」ということ。make heads or tails (out) ofとも言います。
This kind of uncomfortable situation occurs because the French person's speech includes some words you don't know.
(このような気まずい状況がなぜ起こるかというと、そのフランス人の発話にあなたの知らない単語が含まれているからなんです。)
もう一度おさらいしておきましょう。occurは自動詞です。happenよりも固い響きがします。そして、occurred, occurringと変化する際にはdouble rとなります。
So what I suggest people do is to learn as many words as possible so chances that you experience the uncomfortable situation will become smaller.
(ですから、先ほどのような気まずい状況がおとずれる可能性を少なくするためには、なるべくたくさんの単語を覚えてほしいと思うのです。)
so chancesの間にはthatが省略されています。この場合の 〜so that…は「…するために〜しておく」という意味ですね。
英文と比較して内容をしっかり確認しましょう。
クレアは雑誌のコラム用に、文法学者のサザランド博士にインタビューしている。
C: サザランド博士、語学学習においていちばん重要なことは何だとお考えですか?
S: ボキャブラリーの増強じゃないでしょうか…もちろん、その言語の文法をちゃんと理解していることが必須ですが。リスニング、リーディング、ライティングのスキルを向上させたいと言いにくる人は多いのですが、こういったスキルは、単にリスニングやリーディングの教材をくり返し行なったところで上達しないのです。
C: でも、ある程度のレベルに達するにはかなりの量を読んで、聞いて書く必要がありますよね?
S: おっしゃる通りです。私が言わんとしていることはこういうことなんですよ:より多くを理解したいのなら、語彙を豊かにしなければだめだ、と。 例えば、あなたがフランス人と話をしていたとします、あなたはフランス語がけっこうできると仮定しましょう。ところが急に、まるで理解できない音を耳にするんです。それが一語なのか、それともいくつかの単語が集まったものなのかすらわからない…あるいはイディオムなのか、何か専門用語なのかもわからない。どうにもならない状況ですね。
C: ええ。
S: このような気まずい状況がなぜ起こるかというと、そのフランス人の発話にあなたの知らない単語が含まれているからなんです。残念ながら、外国語の単語というものはその意味をあらかじめ知っていない限り、私たちには理解することができません。自国語で新しい単語や専門用語を耳にした場合には意味を推測することもできますし、あるいは「この言葉は知っている必要はないんだ」と納得しつつ単に聞き流すこともできます。なぜかというと自国語の扱いには自信があるからです。ですから、先ほどのような気まずい状況がおとずれる可能性を少なくするためには、なるべくたくさんの単語を覚えてほしいと思うのです。
C: 要するに、その言語に自信をもって対応できるような状況…母国語に対してと同じような状況を作り出さなければいけないということですね。
S: その通りです!それでは次に、どうやってボキャブラリーを増強できるかというお話をいたしましょう。
英語では何と言うでしょう?
まあまあです。