Lesson 670
文法的には合っているのに、自分の書いた英文ってなぜか不自然な響きがするなぁ…と言う悩みをお持ちの方、必読です。より自然な英文を書くためにはまず、童心に帰ることが肝心なんです。
繰り返し聴いて英語の自然なリズムを身につけましょう。
Claire is interviewing an experienced language teacher, Mr. Patterson, for her magazine column. She asks him how one can write natural sentences in a foreign language.
Claire: Mr. Patterson, suppose I were a Japanese, who knows the English grammar from A to Z. I can speak pretty well and understand what other people say all right. But when it comes to writing…I get stuck. Because my English sentences sound…clumsy…for lack of a better word…and I want to write more natural sentences. How can I overcome this situation?
Patterson: You’ve just pointed out a very intriguing issue. Although reading, listening and writing are all closely connected, you need separate, different skills to improve each one of them. Can I ask you one question?
Claire: Yes, please.
Patterson: In your situation, do you have your original sentences ready in Japanese and then translate them into English, or do you just have a sort of nonverbal ideas and express them in English right away?
Claire: The former.
Patterson: I see. Then I’d advise you to translate your original Japanese sentences into another set of easy Japanese sentences, something a five-year-old can understand. You need to do this because original sentences…constructed by grown-ups like you…tend to include big words, idioms and complicated grammatical structures. Translating big words and complicated grammar into a foreign language could be a really tough task, because usually you can’t construct similarly complicated grammatical structures or come up with similarly big words in the foreign language you’re studying. Complicated sentences entail complicated cultural background almost impossible to translate. Are you with me?
Claire: Yes.
Patterson: That’s why you end up having funny-sounding sentences. And another catch in having big words in your original sentences is that chances are you don’t know what you’re talking about. Big words make you feel big, but sometimes you don’t really know what big words, or jargons in some cases, really mean. So in order to truly grasp what you want to say as well as avoid clumsy-sounding writing, why not change your big-worded sentences into those with simple words and grammar? And then translate them into English. It’s always better to write simple, intelligible sentences than writing unnatural, incomprehensible ones.
そのまま使える便利なフレーズを覚えましょう。
Suppose I were a Japanese, who knows the English grammar from A to Z.
(例えば私が日本人で、英語の文法を熟知しているとしましょう。)
from A to Zは「最初から終わりまで、何から何まで」という意味で、know … from A to Zで「…について全て知っている」となります。
The former.
(前者です。)
「後者です」であればThe latter.という答えになります。会話ではこのように、相手から「Aですか、それともBですか」と聞かれた場合にIt's the former.とか、今回の流れであればI do the former.といった言い方はまずしません。すぱっと、「前者(後者)」とだけ言えばいいのです。
ちなみに、3つ以上の選択肢を列挙したい場合には、それぞれの選択肢の前にA), B), C)…などとアルファベットをつけていって話すと、聞き手も言っている本人も理解しやすいのでおすすめです。選択肢が2つの時にも使えます。
Ex) My plan is: A) get up early and finish my homework, B) stay up late and do my homework, or C) just ignore it.
(私の案としては、A)早く起きて宿題をするB)遅くまで起きていて宿題をする、またはC)宿題をそもそも無視してしまう、のどれかです。)
Complicated sentences entail complicated cultural background almost impossible to translate.
(複雑な文章には、ほとんど翻訳不可能な複雑な文化的背景がつきものです。)
entailは「伴う」。こういう単語は覚えていると非常に便利です。
Are you with me?
(よろしいですか?)
「私の話についてきていますか」というのがもともとの文の持っているニュアンスです。ですから、相手がわかっていなさそうな顔をしていたり、こっちの話を聞いていなさそうな時に使います。単に「わかりますか」であればDo you understand?あるいは、もっとくだけた場合にはUnderstand?だけでOK。
Big words make you feel big.
(難解な言葉を使うと偉くなった気がします。)
bigには様々な意味がありますが、最初のbigは「難しい」、二つめのbigは「偉い、大それた」といった意味です。
jargon
(専門用語)
technical/special termと言っても同じです。
英文と比較して内容をしっかり確認しましょう。
クレアは雑誌のコラム用に、経験豊富な語学教師であるパターソン氏をインタビューしている。クレアは氏に、外国語で自然な文章を書くにはどうしたらいいか尋ねている。
C: パターソンさん、例えば私が日本人で、英語の文法を熟知しているとしましょう。そこそこしゃべれるし他の人が言っていることもちゃんとわかる。でも書く段になると…まるでダメなんです。なぜかというと、私の書く英文は…ぎくしゃくしているというか…他にいい言葉が思い当たらないのでこう言いますが…だからもっと自然な文章を書きたいんです。どうやったらこの状況を打破できるでしょうか?
P: とても興味深い問題をご指摘なさいましたね。リーディングとリスニングとライティングというものは全て密接に結びついているのですが、それぞれをもっと上手くなるためには切り離された、別々のスキルが必要なんです。ひとつ質問してもいいですか?
C: はい、どうぞ。
P: あなたのおっしゃった状況では、まずもともとの日本文があって、それからそれを英訳するのでしょうか、それとも非言語的なアイディア的なものがあって、それをすぐに英語で表現するのですか。
C: 前者です。
P: なるほど。それなら、日本語の原文を、5歳児でも理解できるようなやさしい日本文にさらに書き直すことをおすすめします。どうしてこういうことをしなければならないかと言うと、もともと最初にあった日本文…あなたのような大人が作り上げた文ですが…これは難しい単語やイディオム、さらに複雑な文法構造が含まれている可能性が高いのです。難しい言葉や複雑な文法を外国語に翻訳するのは難しいことが多いんです、なぜならたいていの場合は、自分が学習している外国語で原文と同じように複雑な文法を構築したり、同じように難しい言葉をひねり出すことはできないからです。複雑な文章には、ほとんど翻訳不可能な複雑な文化的背景がつきものです。よろしいですか?
C: はい。
P: そういうからくりがあるから、おかしな響きのする文を最終的に書いてしまうんです。さらにもうひとつ、原文に難しい言葉が含まれている時におちいりがちなのは、自分で本当は何を言いたいのかわかっていない、という状況があり得るということです。難解な言葉を使うと偉くなった気がします、ところが、難解な語、専門用語である場合もありますが、そういった語の本当の意味を本当は知らないというケースもあるのです。ですから、自分が言いたいことを本当に理解するためにも、また、ぎこちない響きの文を避けるためにも、難しい単語をちりばめた文章を、シンプルな言葉と文法を使った文に変えてみてはどうでしょうか。それから英訳するのです。不自然で理解不能な文を書くより、シンプルで理解のできる文を書く方がいいに決まっています。
英語では何と言うでしょう?
はじめまして,小泉さん。