Lesson 674
長文をすらすらと解けるようになるためには3つの武器---1)中学高校の英文法をマスターしていること2)訳文は必ず書くこと3)良質の辞書を持っていること---が必要だって知ってましたか?目からウロコ、の長文読解攻略法は以下の会話で。
繰り返し聴いて英語の自然なリズムを身につけましょう。
A Japanese woman Yoko is thinking of going to a graduate school. She asks her English teacher, Mr. Patterson, for advice.
Yoko: Entrance exams for graduate schools often include reading comprehension in English, which I’m not really good at. Could you give me some advice?
Patterson: Sure. First of all, you select reading materials. Um…what are you interested in most?
Yoko: Me? Um…I like cooking…and…I’m kind of interested in soccer now…because of my husband.
Patterson: I see. In your case, it could be a little difficult. When you choose your reading material, it’s always better to select what you love to read. But cooking often involves recipes, which are not suitable, and sports…it could also be difficult because the genre has many special terms and phrases which you might never see in your exam.
Yoko: What about magazines?
Patterson: Magazines are good. I’d recommend Newsweek, because the sentences are appropriately long, but not Time, because the vocabulary is a little too difficult. Newspaper is not recommendable when it comes to reading comprehension training, because sentences are often too short. You need a lot longer sentences to train yourself. Contemporary novels had better be avoided, as they include many casual, contemporary words. If you can’t think of anything to read, it’s always wise to get a reading workbook. But before you read, what do you think is the most important tool to improve your reading skill?
Yoko: Erm…vocabulary?
Patterson: Vocabulary, yes, but not so vital as this: grammar. You need to have at least a good grasp of the English grammar, what you studied at high school. You have that? (Yoko nods) OK, now you read an English passage you have in front of you, and when you do that…it’s very important here…don’t you ever translate it into Japanese in your head. Always write translation down. I’ll tell you now why this writing part is so essential.
そのまま使える便利なフレーズを覚えましょう。
今回はあえて平明な表現を使いました。そこで、この解説欄では英語そのものの解説のかわりに「長文読解のカギ」の補足をしたいと思います。実際に読解の訓練を始めたい!という方、以下の文章を読んで、文法的に正しいかどうか判断してみて下さい。正しくないと判断した場合、何をどう直せばいいのかわかりますか?
(1) While waiting for me, I ran to a flower shop to buy some flowers for her.
(彼女が待っている間、僕は彼女に花を買うべく花屋に走って行った。)
(2) I saw a movie, very popular then.
(私は映画を見に行ったのだが、その映画は当時非常に人気の高いものだった。)
(3) I introduced him, a very good friend of mine, to my mother.
(私は私の非常に仲のいい友人である彼を母に紹介した。)
(4) This is a problem into which we must look.
(これは我々が詳しく調べなければいけない問題だ。)
(5) I knew he wouldn't come.
(彼が来ないことはわかっていた。)
(6) Should you change your mind, let me know.
(もしも考えが変わったら、教えてください。)
(7) If in doubt, ask.
(疑問に思ったら、聞きなさい。)
(8) He went to Paris and she to London.
(彼はパリに行き、彼女はロンドンへ行った。)
正解:正しくないのは(1)と(2)だけ。(1)は分詞構文の問題です。本当はWhile she was waiting for me…となりますね。(2)は関係代名詞の省略の問題です。movie, which was…と続かなければなりません。全問正解できなかった人は、もう一度文法をおさらいする必要があるかもしれません。読解上、とくに重要なのが「分詞構文」「関係代名詞の省略」「その他の省略のルール」です。細かいところまでこの際文法を把握したい!という方にはMichael Swan著Practical English Usageがおすすめです。そこまで詳しく知らなくてもいいけれど、とりあえずあやしい文法事項は解決しておきたい、という方には、文法説明がある程度くわしくなされている英和辞典をおすすめします。どのような辞書がおすすめか、という話は会話の後編で!
英文と比較して内容をしっかり確認しましょう。
日本人女性のヨーコは大学院に行くことを考えている。そこで彼女は、自分の英語の先生であるパターソン氏にアドバイスを求める。
Y: 大学院の入試問題には英語の読解が含まれていることがけっこうあるんですが、私は読解があまり得意ではないんです。アドバイスをいただけますか?
P: いいですよ。まず、読む題材を選びます。えっと…あなたがいちばん興味のあることって何ですか?
Y: 私ですか?えっと…料理は好きですね…それから…今はサッカーになんとなく興味があります…主人の影響で。
P: わかりました。あなたの場合、少々難しいかもしれませんね。(読解用に)読む題材を選ぶときは、自分が読みたいなと思うものを選ぶ方が絶対にいいんです。でも料理はレシピが含まれる場合が多くて、レシピというのは(読解には)不向きですしね、それからスポーツには…入試ではまずお目にかからなさそうな特別な用語やフレーズがたくさんあるので、こちらも難しいかもしれませんね。
Y: 雑誌はどうですか?
P: 雑誌はいいですね。ニューズウィークはいいですよ、文章が適当に長いですから。でもタイムはお薦めしません、単語がちょっと難し過ぎます。新聞も読解のトレーニングという点からはお薦めできません、文章が短すぎることが多いですから。読解の訓練をするためにはもっと長い文章が必要なんです。現代小説も避けた方がいいですね、現代小説にはくだけた、現代ならではの単語がたくさん出てきますから。もしも読むものが何も思いつかないのなら、読解の問題集を買って来るのも間違いがなくていいですよ。でも読み始める前にまず、読解力を上げるためにいちばん重要なツールは何だと思いますか?
Y: えーっと…ボキャブラリーですか?
P: ボキャブラリー、そうですね、でももっと大事なものがあるんです。それは文法です。英文法、すなわち、高校で学んだことだけでもきちんと把握している必要があります。それは大丈夫ですか?(ヨーコはうなずく)よろしい、それでは用意した英語を読んでいくわけですが、読む時に…これが非常に重要なんです…絶対に、自分の頭の中で日本語に訳さないこと。全部訳文は書き出します。書くということがどうしてそんなに大事なのかということはこれからお話しします。(後編へ続く)
英語では何と言うでしょう?
コーヒーでも飲んでいきませんか。