Lesson 750
ピアニスト辻井伸行さんの母、いつ子さんが「親ばか力」なる本を出版なさいました。「ウチの子はもしかしたら天才かもしれない」と思い続ける力のことだそうですが、皆さん、英語に訳すとしたらなんと言いますか?
繰り返し聴いて英語の自然なリズムを身につけましょう。
Claire is talking with her colleague, Ken.
Claire: How’s your sister doing?
Ken: Um, actually, I haven’t seen her for a while.
Claire: Oh, is she busy?
Ken: Yeah. Last time I talked to her, she said she was busy taking her son to soccer fields across the country. She thinks he’ll become a pro one day.
Claire: Oh, that’d be nice.
Ken: No…Chris, her son, is just one of the many soccer boys who are not particularly good but dream about becoming like David Beckham.
Claire: But your sister encourages him, right?
Ken: I guess so. In other words, she has a talent for believing in her own son, no matter what.
そのまま使える便利なフレーズを覚えましょう。
She thinks he'll become a pro one day.
(息子がいつかプロになるって思ってんだよな。)
proは「プロ」。日本語と同じように、「プロの人」という名詞にも、「プロの」という形容詞にも使えます。
Ex) He's a pro baseball player.
(彼はプロ野球選手だよ)
No…Chris, her son, is just one of the many soccer boys who are not particularly good but dream about becoming like David Beckham.
(ステキじゃないよ…クリスっていうんだけどさ、姉の息子、あいつは特別才能もないくせにデイヴィッド・ベッカムみたいになることを夢見てる大勢の少年の一人に過ぎないんだ。)
この場合のparticularlyはveryと同じように使われています。not particularly …で「たいして…でもない」という意味になります。
Ex) The test wasn't particularly difficult.
(テストはたいして難しくはなかった)
In other words, she has a talent for believing in her own son, no matter what.
(要するに、自分の息子の可能性を信じる才能があるんだ、状況がどうであれ、ね。)
「親ばか力」は色々に訳せると思いますが、ここではa talent for believing in her own son [daughter], no matter whatとしておきました。believe inは「〜の存在/正当性などを信じる」ということですが、今回は文脈上、「〜の可能性を信じる」という意味で使われています。no matter whatは「何が起きても」「何が何でも」という意味です。
英文と比較して内容をしっかり確認しましょう。
クレアは同僚のケンと話をしている。
C: お姉さんはお元気?
K: いや、実はね、しばらく会ってないんだ。
C: あら、お忙しいの?
K: うん。最後に話した時は、息子を全国のサッカー場に連れて行くので忙しいって言ってた。息子がいつかプロになるって思ってんだよな。
C: あら、そうなったらステキじゃない。
K: ステキじゃないよ…クリスっていうんだけどさ、姉の息子、あいつは特別才能もないくせにデイヴィッド・ベッカムみたいになることを夢見てる大勢の少年の一人に過ぎないんだ。
C: でもお姉さんは彼を応援しているんでしょ?
K: みたいだね。要するに、自分の息子の可能性を信じる才能があるんだ、状況がどうであれ、ね。
英語では何と言うでしょう?
まあまあです。